谷・阿部特許事務所


銀行におけるビジネスモデル特許-特許維持決定-
 三井住友銀行の法人向け決済サービス「パーフェクト」のビジネスモデル特許に対する特許異議申立は、特許維持決定がなされました。
 この特許は、「振込処理システム」という名称で、平成10年10月6日に出願され、平成12年1月21日に特許査定を受け、平成12年2月4日に登録されました(特許第3029421号)。これに対して、平成12年10月、3件の特許異議申立がなされ、平成13年7月10日に取消理由通知がなされました。平成13年9月10日に特許権者が提出した訂正請求書及び訂正明細書に基づいて審理がなされ、平成13年12月10日に特許を維持する旨の決定がなされました。
 この特許の内容を簡単に紹介します。訂正後の特許請求の範囲の請求項1には、

「選定された複数の関連口座を支払人ごとに関連付けることにより該支払人が前記複数の関連口座を用いて振込を行う振込処理システムであって、前記振込処理システムを介して前記複数の関連口座に振り込まれた資金を取りまとめるための特定口座に入金処理を行うために、支払人が資金を振り込んだ口座が前記関連口座であることを検出し、前記関連口座を前記特定口座に対応付けることにより、前記特定口座に入金処理を行う入金処理手段と、前記関連口座への振込情報に対して、前記関連口座の口座関連情報および/または前記関連口座を特定する番号を付加して、前記振込情報を出力する出力手段と、出力された前記振込情報を前記特定口座の振込情報として格納する格納手段とを備えることを特徴とする振込処理システム。」

と記載されています。
 企業は、お客様一人一人に対して、振込専用の口座(関連口座)番号を付与します。お客様は、この口座番号を用いて振込を行い、関連口座に振り込まれた資金は、関連口座と対応付けられた企業の特定口座に入金されます。振り込まれた関連口座を特定することにより、お客様を特定することができるばかりでなく、企業の特定口座に資金を集中することができます。企業は、お客様の入金を簡単に照合することができ、お客様にとっても、振込の手続きが簡単になります。「パーフェクト」の詳細は、三井住友銀行のホームページ(http://www.smbc.co.jp/hojin/eb/perfect/index.html)を参照して下さい。

 この特許は、金融機関の提供するサービスに関する発明という点で、日本におけるビジネスモデル特許の嚆矢であり、特許時よりたいへん注目されていました。以下、平成13年12月24日、日経NETに掲載された記事を引用します。特許維持決定により、今後は、どのように権利が活用されるのか注目されることでしょう。
(濱中 淳宏、岩田 友男)

三井住友銀、ビジネスモデル特許取得

 三井住友銀行は企業が顧客の入金を簡単に照合できる決済の仕組みで、日本の金融機関として初めて「ビジネスモデル特許」を取得した。この特許を巡っては、大手銀行が自らが提供するサービスに似ているとし異議を申し立てていたが、特許庁は却下した。三井住友銀は最終的な特許の決定を受け、このビジネスモデルを利用する銀行から特許使用料を徴収する考え。銀行界も知的所有権を競う時代に突入する。
 三井住友銀が取得したのは、法人向け決済サービス「パーフェクト」の特許。インターネット上に仮想支店を開き1人ひとりの顧客に専用の振込口座番号を与えることで、同姓同名だったり、家族がかわりに支払った場合などに分かりにくかった入金の照合事務が大幅に簡素化できる。振り込み処理のアイデアに対して特許が与えられた。この振り込み処理は、通信販売業者など不特定多数の顧客からの入金を照合している企業にとって、必要不可欠なサービスとなりつつある。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20011224CEEI005323.html




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