谷・阿部特許事務所


出願の準備

 明細書はすぐに作成できるものではない。明細書の作成は想像以上に難しい。弁理士等の専門家が必要となるゆえんであろう。明細書を書く気はなく、それは専門家に任せたいが、専門家につなぐのにはどうしたらよいのか、そのやり方を知りたい者には、この章を読んでいただきたい。
 あるビジネスの新手法をビジネスパテント化するために、弁理士に出願を依頼するときにどのような準備をして相談に行くとよいだろうか?少なくとも出願完了まで、発明を外部を洩らさない、発表しない。その上で、まず、特許法で保護される発明に該当するか否か考える。さらに、関連するビジネス手法、それを技術的に実施するための先行技術があるのか否か考える。その上で、自己のビジネスとの関係でどのような内容の発明を特許化したいのか、自己のビジネスの実現およびそれに対する他人からの影響などを考慮する。

 そのためのチェックリストとしては例えば次のようなチェック項目が考えられる。

出願準備のためのチェックリスト

  1. 何を特許化したいのか?
    • どのようなビジネス手法を考えたいのか?
    • そのビジネス手法はインターネット/コンピュータをどのように用いるのか?
    • そのビジネス手法と技術との係わり方はどのようなものか?
    • 自社のビジネスとの係わりあいはどうなっているのか?
    • 他人に取られたくないアイディアは何か?
    • 分散処理によるビジネス手法を特許化したいのか?
    • 多国間にわたる処理をも特許化の視野に入れているのか?
    • そのビジネス手法はすぐに真似されやすいのか?
    • そのビジネス手法の実施化は短期に容易なのか?
    • 万一、特許がとれなかったときはどのような対策をするか?


  2. 他人との関係はどうか?
    • ライバル企業は存在するのか、あるいは出てくる可能性はあるのか?
    • 他人との関係で、自社独占したいのか、またはライセンスをしてパートナーシップを築きたいのか?
    • 他社の特許状況はどうか?すでに出願されているという噂を聞いたことがあるか?


  3. 発表はしたのか?
    • 発表をしたのか?
      ・どの程度の発表か?
      ・何を発表したのか?
    • 客先に企画を提示したのか?
      ・YESならば、NDAの手当てはしていたか?
    • 今後発表の予定はあるのか?
      ・YESならば、どのようにして、いつ発表したいのか?
      ・その発表の内容はどこまでとするか?
    • 発表しないことがビジネスに与えるインパクトはどうか?
    • 他人による類似アイディアの発表はあったか?


  4. 先行技術はどうなっている?
    • 先行技術はあるのか?関連技術はあるのか?
    • 先行技術でなくともすでに公表されている純粋ビジネス手法はあるのか?
    • 先行技術はどのような文献になっているのか?
      ・特許文献?
      ・非特許文献? 雑誌?新聞?HP?
      ・国内文献?
      ・外国文献?
    • 国内外における具体的実施、展示会などでの発表の資料はあるか?


  5. 実施例
    • 具体的な実施計画はどのようになっているのか?
      ・現在の実施形態?
      ・将来可能な実施形態?
    • それに基づく変形例はあるのか?
    • 各具体例のメリット、デメリットは何か?
    • とりたいクレームとの関係はどうなっているのか?
    • 具体的実施例、変形例を表わすブロック図、フローチャート、ディスプレイ上の画面は用意してあるか?
    • 実施例について、他人が実施可能な程度に説明したか?
    • 最良の実施形態について示したか?
    • 他人が魅力的に感じる実施例を考えているか?


  6. クレームはどう考えるか?
    • システムクレーム?
    • ・全体
      ・サブシステム
    • 方法クレーム?
    • ・全体
      ・方法の一部分
    • プログラムクレーム?
    • ・記録媒体クレーム
      ・媒体なしクレーム
      ・信号クレーム
    • 外観クレーム?
    • ・スクリーン上の表示
      ・目に見える手順
      ・入力または出力の形態
    • 用途別のクレーム?
  7.  以上のチェック項目についてすべて答える必要はない。
    それを完備させるより、早く出願することの方が重要であるし、各チェック項目のうち、
    基本的な発明の開示がある程度整理できたならば、直ちに弁理士に相談するとよい。
    弁理士との相談にあたって、重要なのはまず、信頼することである。


  8. 弁理士に任せよう
    弁理士を100%信頼する。
    ビジネスの企画から実施化まですべて話をして、最良のパテント取得をどうするのか相談する。
    弁理士には守秘義務があり、顧客との関係で他人から得た情報を裁判所に提示することも拒める。
    従って、考えていることはすべて話して判断を聞こう。
    弁理士にとって判断の材料をもらえばもらうほど、動きやすい、よい仕事をできる。


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