谷・阿部特許事務所
 
ロンドン協定のキーポイント


                  (2008年2月14日)
 

ロンドン協定は、2008年5月1日に発効します*1、*2。

  現在に至るまでに以下の13の締約国が批准書ないし受諾書を寄託しました。
 :クロアチア、デンマーク、フランス、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モナコ、オランダ、スロベニア、スイス、イギリス。

  なお、スウェーデンはまだ未寄託ですが、ロンドン協定の実施を2008年5月1日から発効させることを予定しています*3。
   ロンドン協定は、(1)欧州特許庁の公用語(英語、フランス語、ドイツ語)のうちのいずれかと共通する公用語を有する国と、(2)欧州特許庁の公用語のうちのいずれとも共通する公用語を有しない国を区別しています。

  1.欧州特許庁の公用語のうちのいずれかと共通する公用語を有する国は、翻訳要件なしで済みます[ロンドン協定第1条(1)]。
  この規定は次の国に適用されます。:フランス、ドイツ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モナコ、スイス、イギリス。
  2.欧州特許庁の公用語のうちのいずれとも共通する公用語を有しない国は、欧州特許クレームを、その国の公用語の一つに翻訳することを要求できます[ロンドン協定第1条(3)]。
  以下の国は、その国の公用語でのクレームを要求します。:クロアチア(クロアチア語)、デンマーク(デンマーク語)、アイスランド(アイスランド語)、ラトビア(ラトビア語)、オランダ(オランダ語)、スロベニア(スロベニア語)。
  欧州特許庁の公用語のうちのいずれとも共通する公用語を有しない国は、欧州特許の明細書が、その国によって規定された欧州特許庁の公用語で提供されることを要求できます[ロンドン協定第1条(2)]。
  以下の国は英語を規定しています。:クロアチア、デンマーク、アイスランド、オランダ。
  以下の国はロンドン協定第1条(2)のいかなる言語も規定していません。したがって、明細書の翻訳の提供は要求されません。:ラトビア、スロベニア。

  ロンドン協定の国内法における実施に関する詳細な情報は、欧州特許庁発行の「EPCに関する国内法」において、まもなく利用できるようになります。

*1:原則として5月1日およびそれ以降に欧州特許公報において特許付与の公示のなされた欧州特許について翻訳文負担軽減の適用を受けることができます(ロンドン協定第9条)
*2:ドイツでは、現在のロンドン協定実施のための法律改正の発効が2008年9月1日になっていますが、連邦司法省はこれを廃止して新たな転換規則を設け、2008年5月1日にはロンドン協定を適用できるように計画しています(2月18日、ドイツ特許商標庁)。
*3:2006年5月18日、スウェーデン議会はロンドン協定を承認し、協定実施のためスウェーデン特許法をすでに改正しています(スウェーデン語へのクレームの強制的翻訳、明細書は英語で利用できなければならないことを規定)。批准書寄託の日および特許法改正発効の日は、今後、議会によって決定される予定です。
*4:特許許可の通知(旧法規則51条(4)、新法規則71条(3))を、ロンドン協定発効までに受領した場合には、手数料及び他の2公用語のクレーム翻訳の提出を、期限ぎりぎり(4ヶ月以内)まで保留することで、あるいはさらに必要があれば続行手続(EPC121条)を利用して(権利喪失通知から2ヶ月以内)、ロンドン協定の適用を受けることができるようにすることが考えられます。
  なお、手数料及び他の2公用語のクレーム翻訳の提出から特許付与の公示までの期間、あるいは、手数料及び他の2公用語のクレーム翻訳の提出期間経過後、権利喪失通知を受けるまでの期間については、いくつかの事例につき調べてみたところ、2ヶ月~3ヶ月程度かかっているようです。


(参考サイト)

http://www.epo.org/patents/law/legislative-initiatives/london-agreement/key-points.html 

                                (文責 田村 正)


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