谷・阿部特許事務所
 
医療関連発明に関する日米欧の比較
-日本、医療関連発明に関する特許対象の範囲を拡大-


                  (2010年1月21日)  

  医療関連発明に関する審査基準が改訂され、平成21年10月23日付けの特許庁HPにて、改訂審査基準が公表されました。なお、改訂審査基準は平成21年11月1日以降に審査される出願に適用されます。

  今回の改訂は、特許対象の範囲を拡大するものです。具体的には、
  1. 用量・用法を特定することにより、副作用の低減等の効果を奏する医薬、及び
  2. 診断プロセスに至らない人体から各種の資料を収集する方法(人体の計測方法) が特許の対象となりました。

この特許対象の拡大により、日本、米国、欧州の中で、日本のみが、i.の「用量・用法を特定することにより、副作用の低減等の効果を奏する医薬」についての特許権取得が可能となりました。一方、ii.の「診断プロセスに至らない人体の計測方法」については、米国及び欧州と同様に特許権の取得が可能となりました。

今回の改訂内容を含めた医療関連発明の特許対象に関する日米欧の比較を以下に示します。

 

   また、日本で特許権の取得が可能な「用量・用法を特定することにより、副作用の低減等の効果を奏する医薬」として、以下の事例が改訂審査基準に掲載されています。

 

 <事例>
[特許請求の範囲]
 30~40μg/kg体重の化合物Aが、ヒトに対して3ヶ月あたり1回経口投与されるように用いられることを特徴とする、化合物Aを含有する喘息治療薬。

[解説]
 従来、喘息患者に対して、1μg/kg体重の化合物Aを毎日経口投与することで、喘息の症状が軽減されたが、副作用Bが高頻度で発現するという課題が存在していた。  これに対し、本発明では、喘息患者に対して、30~40μg/kg体重の化合物Aを3ヶ月あたり1回経口投与することにより、喘息の症状が長期にわたって軽減され、さらに、従来よりも副作用Bの発現率が低減することを見出した。

 上記の事例に示すように、化合物Aの用量・用法を刷新することで副作用Bの発生率を低減できる医薬は特許の対象となる。

(文責 松本 克)


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